ひな祭りにはお米のお菓子・ポン菓子
- 米ラボ
皆さんこんにちは。
緊急事態で迎えた3月ですが、出すのも仕舞うのも割と難儀するひな人形の季節です。
飾りや配置に毎年四苦八苦しておりますが、これも親のつとめと思い今年もちゃんと頑張りました。
言わずもがな、ひな祭りは春を代表するイベントで、桜色や若草色を中心に目に優しいカラフルな装飾は気品が高く、女性の将来像を華やかに感じさせるには申し分がないでしょう。
この華やかさを最も際立たせているのが、そう、ひなあられ、つまりポン菓子です!
ポン菓子代表「にんじん」
ポン菓子といえば「にんじん」という製品名で、にんじんを模した包装をされている、にんじんの味は全くしないあの駄菓子を連想しますよね。
久しぶりに買ってみましたが、パッケージが可愛らしくなっているだけで味は一緒です。
ちなみにこの「にんじん」ですが、なぜにんじんがモチーフであるのか理由が明確でありません。
ネット上では円錐状容器であると見た目では多く入っているように感じるから、という意見が有力であるようです。
何か今一つ・・、もっとスッキリできる理由が隠されている気がするのですが・・。もし別の理由であるのなら知りたくて仕方ありません。
ライスチョコというクランキータイプのお菓子も同じ、米を原料としたポン菓子が使われています。
ポン煎餅も同様ですが非常にフワフワした食感で、多分ですけどおなかにやさしい気がします(コメントまでフワフワしております)。
さてみなさんはポン菓子の製造機を見たことはありますでしょうか。金属釜に米を入れて回転させながら加圧させていき、内部圧力が高い状態で蓋をハンマーで叩きます。叩いた瞬間に“ポンッ”どころではない爆発音がして、一瞬のうちに大量のポン菓子が出来上がります。YouTube等でも動画がみられますのでご興味があればご覧ください。
出来立てが最も香ばしく美味しいのだそうです。
原料水分が急激に膨張する現象を利用したこのような食品を膨化食品と呼びますが、米に限らず麦・大豆・栗などさまざまな穀類で作れます。
中でも、爆裂種と分類される穀類は特別な機材を使わなくても熱を掛ければ膨化できます。ポップコーンも膨化食品の一種です。確かにフワフワしているところの食感が似ていると思います。
ポン菓子はミネソタ大学の研究者であるアレクサンダー・ピアース・アンダーソン博士が穀物のでんぷんに関する実験をしているとき、意図せずに誕生しました。
米を試験管に入れてオーブンで熱する作業で、誤って蓋をしたことで内部圧力が高まり、ポンッと弾けてしまい実験は失敗—。しかし、割れた試験管の残骸に膨化した米を発見した博士は、特許を取得しビジネスを展開。瞬く間に世間に広まっていく・・という、「失敗は成功のもと」を絵に描いたようなお話です。
万博で、ポン菓子を空から降らせるようなパフォーマンスをして一躍有名になったという逸話もあります。非常に興味の湧く人物ですが、彼の自伝「Food shot from Guns」は翻訳出版されていないようです。ぜひ読んでみたいですよね。
ひなあられはポン菓子なのか
ひな祭りの話に戻ります。
本記事の枕で、ポン菓子の話題に触れましたが、ひなあられがポン菓子であることにピンと来ない方もいたのではないでしょうか。
ひなあられはポン菓子でできたものが主流であるのが関東、あられせんべいが主流であるのが関西ということらしいので、それが原因です。
関西風のひなあられは、あられせんべいタイプ
しかしながらスーパーでは両方手に入りますし、昨今では家庭の好みで選ばれている気がします。ちなみに私の実家は関西ではないですがあられせんべいタイプを食べていました。確か30年前くらいに突如登場したマヨネーズ味というのがあって、10粒に1つくらいの割合で入っているのですが、それを妹と取り合いになっていたのを思い出します。
ポン菓子は口当たりが軽いですしバターや油も使わずに製造できますから、健康ブームにうまく乗って欲しいですね。英語ではパフライスというので、パフライススイーツとかどうでしょう。
すでに、このようにオシャレなものもありますので、よろしければ話の種にどうぞ>https://kanazawa-seika.jp/lineup/315
ではまた次回のケツトジャーナルもお楽しみに。
ライター:ドロップD太郎
【参考資料】フリー百科事典Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ポン菓子 https://en.wikipedia.org/wiki/Alexander_P._Anderson