さまざまな名前で呼ばれる米粉の謎
- 米ラボ
近頃、米粉を使ったパンやお菓子を見かけることが増えてきたように思いませんか?
小麦粉原料のイメージが強いパンやケーキなどの洋菓子が米粉に置き換わって、食べてみると小麦粉とは違う食感と美味しさに出会えているように感じます。また、小麦アレルギーの方にも安全なグルテンフリーの米粉パンも身近になったように思います。
これは気のせいではなく、事実、米粉が増えているからなのです。
お米の日本人一人当たりの年間消費量は、昭和37年度の118kgをピークに減少傾向にあり、平成30年度にはその半分以下の53kgにまで減少しています。
このような背景があって、国の取り組みとしても直近の10年で2倍程度にまで「米粉」の生産量を拡大しています。米粉の需要は米の消費量減少と逆行し、増えているのです。
そのうえ、製粉時にでんぷん損傷をおさえる技術の発達も、パンや麺類などの加工にも対応できる米粉の広がりを後押ししています。
それでも、米粉は古くから和菓子などに使用されてきました。ただし米粉という名前ではなかったので、ピンとこないかも知れません。
たとえば、道明寺粉・上新粉・白玉粉。
これらはすべて米粉です。
では、実際はどのくらい種類があるかご存じでしょうか。
なんと、一般的なもので10種類以上あります。製法もまちまちですので、詳細を述べるとキリがありませんが区別のポイントは3項目あります。
実際、粉だけを並べてもしっくり来ませんが、それらの粉がどのような食品に使われているかを見ると想像しやすくなります。
表にまとめますので、柏餅の滑らかな舌触りや、桜餅の米粒が残る歯ごたえを思い出しながらご覧ください。
面白いのは、製法や原料が同じでも粒径が違っただけで呼び名が変わるものがあります。
他にも、同じものなのに地方で呼び名が変わるものや、原料や加熱の有無は同じでも、製粉工程の差で別のものになったりしています。
呼び名が変わると用途も変わるということから考えると、繊細な味や舌触りに違いを出してきた作り手さんたちの創意工夫には驚かされます。
インターネットの個人サイトではさまざまな米粉で作った団子の食感比較など、興味深い試みをしている方もいらっしゃいます。ご家庭で和菓子作りにチャレンジしてみるのも良いかも知れません。
・・そういえば、我々は米粉専用の水分計というのも製造販売しております。ご興味があればぜひ下にある関連製品のリンクよりご覧ください。
ライター:ドロップ D太郎
参考文献:農林水産省HP,『米粉をめぐる状況について』https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/komeko/attach/pdf/index-123.pdf
北陸農政局HP,『「米粉」「米粉食品」って何なの?[米粉の種類]』https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/komeko/kome_hanasi01.html