ケツトジャーナル

近赤外水分計 KB-30《開発秘話》その4

    • 開発秘話

<(その3)の続き

食品だけでなくこんな場所でも活躍中

編:器械が売れるたびに依頼試験を受注していたら、専用の窓口が必要なくらいの業務量になりそうですね。
中:いや、検量線作成は付属のソフトを使用すれば誰でも簡単に出来るので、複数の水分状態の試料を作って、検量線の作成までは、通常お客様に行っていただいているはずです。
販売台数に比べたらごく一部を試験で請け負っています。それでも10件20件どころの話ではないですが。
編:少なくはないわけですね。先ほどは食品関連のお話をお聞きしましたが、他の分野もあるんですよね。
中:もちろん。食品以外ですと薬品や木材、樹脂、砂や鉱物、石膏なんていうのも実績としてあります。
個別の試料ごとに最適な検量線を作成することが正確な測定に繋がるので、絶対に現物を送っていただいて、調湿といって、水分状態がわかっている複数の含水率の試料を作成するところから始めます。
試料によってはこの調湿が当社の研究室では難しいものもあるので、その場合は現地で行うこともあります。
野:お客様の現場に行くと、色々な業界の工場見学みたいで、誤解を恐れずに言うと、それもまた楽しかったりするんです。
編:さまざまな検量線のオーダーメイドというのは、なかなか良いサービスですね。
野:それはお客様もさることながら、当社にとってもノウハウの蓄積になっています。
試料によっては、標準のKB-30だとNIRの波長域の違いで正確さに不安が残る場合もあります。なので「高水分仕様」と「超高水分仕様」という波長の違う器械もラインナップしていて、それらの器械で解決できることも多々あります。
そういったアタリをつけることもノウハウだと考えていて、やはり水分計のケツトとしては、あらゆるモノの水分を素早く正確に測れることを目標にしています。

 

水分測定にフォーカス

編:ケツトのラインナップとしては本器以外にもNIRの水分計や成分分析機器がありますが、他社さんも当然あるんですよね。
野:もちろん、競合他社さんはあります。ただし他社さんで多いのは分光器という装置がついた高額器種です。
それに対して本器では測定用途を水分に絞って、分光器を搭載せずフィルターで分光することで価格を抑えています。安価な分、ライン上に複数台設置して、製造工程の川上から川下まで一元管理もできます。
オプションのコントローラーなどでライン全体の制御も可能となる

 

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