飴とキャラメルの水分を、赤外線水分計で測ってみた。<ステップ乾燥>
- 事例紹介
飴とキャラメル
今回は、甘くて美味しい飴とキャラメルです。
製菓工場の品質管理の一環として、やはり水分測定は欠かせません。
水分測定の方法もいくつかありますが、今回も、羽毛や炊飯米に続き、赤外線水分計「FD-720」で測っていきます。
測定条件のポイント
飴やキャラメルのように甘くて高温で溶けるような試料の水分測定には、ちょっとした工夫が必要です。
甘い試料つまり糖分が多いものは、高温を当てるとすぐに表面が焦げついてしまいます。焦げた部分は膜となり水分が蒸発しにくく、内部に水分が閉じ込められてしまうので全体としての正確な水分測定ができません。
かといって、低温では水分が蒸発しにくく、質量変化がないと赤外線水分計は測定完了だと勘違いしてしまうので、そこにも一工夫がいるのです。
そこでまず有効な方法が、赤外線水分計FD-720/800の機能「ステップ乾燥モード」の利用です。乾燥モードを適切に選んで、水分蒸発させながらも焦げないように乾燥させます。
試料作成のポイント
また、全ての試料で言えることですが、試料皿にできるだけ平らに薄く均等に広げることが、正確測定のための大きなポイントです。
飴やキャラメルも細かくして広げるのですが、高温で溶けて小さな粒が表面張力により小さな団子になってしまいます。そこで、グラスファイバーシートを試料皿に敷くことで溶けた試料も広がります。
飴の試料作成
まずビニール袋などに入れ、ハンマーなどで細かく砕きます。試料皿に敷いたグラスファイバーシートの上に広げます。融けた飴がグラスファイバーシートの裏まで浸みて試料皿にこびりつくのを防ぐため、ここではアルミシートも敷いています。
キャラメルの試料作成
キャラメルも小さくするため、ハサミで2〜3mmの厚さに切って、アルミシートとグラスファイバーシートを敷いた試料皿に広げます。
水分測定
水分計で水分測定を開始します。
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今回の測定条件と結果は以下の通りになりました。
- 飴:1粒(約4g)…..ステップ乾燥モード・STEP1 / 115℃, 5min ・STEP2: 110℃ / AUTO 0.05%、2.55%(8分)
- キャラメル:1粒(約5g)…..ステップ乾燥モード・STEP1 / 115℃, 5min ・STEP2: 115℃ / AUTO 0.05%、5.80%(17.5分)
キャラメルのSTEP1と2で同じ温度になっています。
115℃でじっくり熱をかけていきたいのですが、最初数分間は蒸発せず質量変化がないためAUTOモードのままだと測定終了してしまいます。
そこで、STEP測定を利用して最初は強制的に熱をかけ続け、蒸発が始まってから質量変化量を監視して停止させるという工夫をしています。
サンプルの質量、状態等によって水分値や測定時間は変化しますので、あくまで参考として見てくださいね。
測定終了後の飴とキャラメルは下の写真のようになりました。融けて広がっていて、膜が張るほどの焦げ付きは見られませんでした。こちらも参考にしてください。
ライター:K.OKAWA
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