ケツトジャーナル

赤外線水分計FD-800《開発秘話》(5)

    • 開発秘話

(4)の続き

 

赤外線水分計の未来とは

編:開発着手から数年間かかっていますね。全身全霊かけた開発だったことは想像に難くないです。では、村上さんにとって赤外線水分計はどのようなものですか?
村:当社の製品群の中でも大きな柱ですので、その開発責任者として世に出せたことは名誉なことだと思います。
赤外線水分計に限らず、世に出た製品というのは自分の子供のように、やっぱりかわいいもので、その時点では最高な製品ですよ。とはいえ、後継器はもっと良くしたいと毎回思います。
編:最新製品が最高なのは、頷けますね。それまでの積み重ねがベースになるわけですからね。
そんなケツトの赤外線水分計の今度はどうなるか、お聞かせください。
村:FD-800では温度制御に一歩踏み込んで、測定の短時間化や安定性の向上を図りました。赤外線水分計は原理としては単純ですが、より良くする手段はまだまだ無限大にあると考えています。
ヒーターを変えて水をより効率的に飛ばすというような基本的なところも当然あるでしょうし、発想を変えれば今は誰も見たことのない進化を遂げることができるはずです。

 

設計者として大切なこと

A closeup of an idea lightbulb at the wet morning glass at sunrise. The concept of fresh innovative ideas.

編:設計の仕事において大事にしていることはどのようなことでしょうか?
村:もしかしたら聞かれるんじゃないかと思って事前に考えたのですが(笑)、3つあります。
  ひとつは、自分の感性を信じること。
感性を信じて独自性を生み出すには、ワクワクするような気持ちで仕事に取り組むことが大切です。
もちろん仕事というのはすべてが高揚感を持てるものではなく、必要に応じてこなさねばならないこともたくさんあります。大半がそういう性質かも知れません。その中で情熱を傾けることのできる仕事には常にワクワクし続けられるのです。
編:最初の浸炭度計のお話も、ワクワクがなかったら生み出せていないわけですよね。
村:私の場合はそうでした。ワクワクしてやる気が起きなければ良い仕事ができないですよ。
<(4)へ
(6)へ>

関連記事