小型精米器「パーレスト」《開発秘話》Part2
- 開発秘話
電気的なちがい
編:初代パーレストには、交流の50/60Hz切替スイッチがついていますね。
家電でも少し前までは、切り替えスイッチが付いていましたね。富士川糸魚川ラインを隔てて東西で違う仕様なので引っ越すと家電買い替えなんてこともあったりして、懐かしいですね。
新型パーレストにはついていませんね。内部での大きな違いはその電気的な部分ということでしょうか。
旧パーレストの底面には、50/60Hz切替スイッチが付いていました
K:その通りです。初代パーレストは、搗精の駆動部にACモーターを使用していました。交流切り替えスイッチが必要で、直接お客様は意識することはないのですが、輸出する際にはその国の電圧に合わせたモーターを載せ替えたりしていました。今回はこれらを省くことができました。
モーターの変更
編:つまり、周波数切替スイッチ削除と電圧ユニバーサル化を同時に進めたと。
K:それらが主目的ではないのですが、器械の心臓部であるモーターを見直しまして、従来のACモーターを新たなDCモーターに変更したんです。そうしたら、結果的に周波数も電圧も切り替え不要にできたということです。
主目的は、精米器の長時間駆動を実現させたかったのです。
編:初代パーレストは長時間駆動できなかったのですか?
K:そもそもパーレストで長時間連続して搗精することはないのですが、環境によっては、断続的に長時間使っていると熱を持ってしまって内部の安全装置がはたらいて、動かなくなってしまうことがあります。冷めるまでインターバルを置く必要があったのです。
編:一般的にもDCモーターの方が熱を持ちにくくて省エネのイメージがあります。
K:技術進歩により、高効率・長寿命のDCモーターが出てきましたので、今回採用しました。それでも本当に熱くならないかの実験は地道に行うんですよ。
今回もモーターに緩衝材をぐるぐる巻きにして熱がこもるようにして、かなりの長時間運転して温度測定をしました。社内の安全基準は十分にクリアしています。
駆動をマイコン制御にしたこともあり、消費電力が40Wから26Wに削減されているので、イメージ通り省エネな器械ともいえます。