ケツトジャーナル

ごはんの水分測定は難しい?【炊飯米の水分測定<公定法編>】

    • 米ラボ

2023.9.7

お米の水分計メーカーである弊社に、

「炊いたご飯の水分測定はどう測るの?」というご質問が届きました。

 

ご飯の水分は数%の差で、硬くなったり、

べちゃっとしたり食感に大きな影響を与えます。

 

そこで今回、炊飯米の水分測定にフォーカスしてみました。

 

 

全3回に分けて、次の3つの方法に挑戦してみます。

①公定法で測る

②赤外線水分計で測る

③近赤外水分計で測る

 

今回は公定法編です。

公定法をざっくり説明すると、公的な機関が指定した測り方のことです。

※詳しくはこちら>> 世界の公定法規格の紹介

 

<炊飯米水分測定公定法>

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「食品分析法」、「新・食品分析法」に準拠

アルミニウム箔法(常圧加熱、135℃、3g、2時間)

 

◆手順概要

①乾燥前の重さを測る

②乾燥後の重さを測る

③減少量から水分を計算

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なんだか簡単そうですね!

早速やっていきましょう!

 

 

工程① ご飯をつぶす

 

 

炊飯米をビニール袋に入れてつぶします。

粒の形がなくなって餅のようになるまでコネコネ・・。

てるてる坊主みたいちょっとかわいい。

 

 

工程② アルミ箔に包んで重さを測る

 

 

厚手のアルミ箔を規定サイズに切ります

風袋引きのためにアルミ箔の重さを測っておきます。

さきほどつぶしたお米3gアルミ箔にのっけて、乾燥前の重量を測ります。

 

 

 

工程③ ご飯を引き延ばす

 

アルミ箔の端を畳んだら、板ガム状になるまで、

ローラー、ローラー、ひたすらローラー。

 

・・・腕がおかしくなりそう・・・つかれた・・・もぅマヂ無理。。。

 

触っても凹凸が分からなくなり、アルミとお米が合体!

 

 

工程④ 乾燥機に入れる

 

 

アルミ箔を開いて、箱状に畳みなおしたらオーブンへ投入

135℃オーブンで加熱2時間・・・・・・2時間?!ながっ!!

特にやることはないので、片付けでもしましょう。

 

 

工程⑤ 乾燥後の重さを測る

 

ようやく2時間経ちました。

オーブンから取り出してデジケーターで放熱。板チョコみたいでかわいい。

 

 

最後に乾燥後の重さをはかります。

 

 

 

工程⑥水分を計算

 

あとは表計算ソフトにがんばってもらって・・・やっとできました!

 

準備1時間、加熱2時間、放熱30分、測定数分・・・計3時間以上かかりました。

軽い気持ちで手出しするんじゃなかった・・・

 

結果:公定法は腕が疲れるので、2時間休憩。

 

公定法は基準として大切ですが、製造現場の測定では現実的ではないですね。

 

次回は現場でよく使用されている赤外線水分計について触れていきたいと思います。

 

ライター:まかろにペン子

 

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